目次
概要
デジタルの時代だからこそ、真の価値創造を行うためには人間性の復権をしていかなくてはならない。数字やデータに意味づけ・価値づけを行うためには、人の五感や身体性を存分に使って、人と人が「共感」することが必要となる。本講演では、ヒューマンセントリックで機動的なイノベーションの基盤となる知識創造プロセス、賢慮(フロネシス)のリーダーシップ、物語り戦略などについて概説する。
スピーカー
野中 郁次郎 名誉教授
スライド
非公開
内容
共感経営
- Empathy Driven Management
- 新啓蒙会議
- 株主価値最大化説を否定
- 顧客第一主義
- 道徳論
- 経済・経営学の役割(市場が変わる)
- 従業員の復権(使い捨てではない)
失敗の本質
- 著書の中で1番売れているのが失敗の本質
- その中で、失敗の本質は過去の成功事例に基づいた過剰適応だということ
- Over Planning(過剰な計画)
- Over Analysis(過剰な分析)
- Over Compliance(過剰な規制)
知識
- MicroSoftのAIに考え方「人間中心のAIを目指す。」
- 置換ではなく、能力の拡張
- 知識は暗黙知に根ざす
- 例)Hondaでは対話から主観をぶつけ合う風土
- 暗黙知は形式知に、形式知は暗黙知に相互作用している
- 個人の意見や考え、思いを他者に伝えて組み合わせて再度自分の中に刻み込み、共感を得て新しいものとして捉える、それを今度はグループとしての思いとして他グループと組み合わせて…といった形で最終的に組織全体の思いになる
- 共通善(Common Good)
- 京セラの経営理念「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」
- エーザイのhhcマーク「ヘルスケアの主役が患者様とそのご家族、生活者であることを明確に認識し、そのベネフィット向上を通じてビジネスを遂行すること」を具現化
- 相互主体性
- 個人としている場合は主観が思いを占めるが、グループ、組織と大きくなるほど客観的なものとなる
- その中でも2人称となるペアの状態がイノベーションが起こりやすい
- 例)スティーブ・ジョブズ・とスティーブ・ウォズニアック
- コンパ経営
- 京セラの本社12Fでは100畳の部屋で宴会が行われている
- 膝を付け合わして話すことで互いの主張が出やすく本質を引き出す
- 椅子はだめ
- 手酌はだめ。エゴ。
- 自立分散系
- 大規模よりもチーム
- ミドルマネージャー
- アジャイルスクラムプロセス
- 暗黙知が飛び交っている
- 3Mがとても大事にしている
戦略
- 戦略とは生き方を実践する「物語」である
- 筋書きと行動指針
- リーダーシップ=知的バーバリアン
質疑
Creative Twoの組み方は?
- 自分の書けている部分を持っている
- 出会いが重要
リモートでの共有方法
- 電話でのビデオ会議(Face to Faceが望ましい)
- コミュニケーションを意識的に見る
感想
- 「共感」というのがとてもキーワード。エモかった。
- スクラムに対してだけの話に閉じず、社内のナレッジ共有のようなところにも通じる部分があってなるほどと聴いてられた